少し先の話ですが、番組の紹介をさせてください。
今年、真珠湾攻撃(1941年12月8日)から70年にあたるのを記念して、
2011年12月10日土曜日に、
「NHK土曜ドラマスペシャル 真珠湾からの帰還 ~軍神と捕虜第一号~」が放映されるようです。
http://www.nhk.or.jp/nagoya/shinjyuwan/
以前mixiにも書いたとおり、太平洋戦争で、日本人捕虜第一号となった酒巻和男氏は、
私の親戚にあたり、現在執筆中の修士論文(本)も、彼の体験を中心に編まれています。
日本では、「真珠湾攻撃」を(ぼんやりと)知っていても、九軍神のことや、酒巻氏の葛藤などは、社会の大部分が知らないに等しく、彼の戦後出版した本も、絶版となっています。
それがこの度、このようなドラマが放映されるとのこと、とても嬉しく思います。
潜水艦による攻撃は、有名な回天などが、映画などでクローズアップされますが、
(因みにこの回天の構造は、真珠湾攻撃で用いられた潜水艦よりも残酷です)
酒巻氏を初めとして、真珠湾攻撃における人間の葛藤を描くのは、なかなか無かったと思います。
酒巻氏についてのドラマは、彼が存命の頃に放映されたそうですが、
本人は著書を書くことで、「それ以上はしゃべらない」を貫いて居られました。
という中、放映が決まったのは何故でしょうか。
70年の節目、もあるとはおもいますが、
番組紹介HPにあるように、「生き残ってしまった自分」、という気持ちの葛藤が描かれるようです。
東日本大震災で多くの家族や友人を亡くした中、「自分ひとりだけが生き残ってしまったのは何故」、と葛藤する人も多いようです。
これを、"Survivor's Guilt"と呼びます。(英語しか知りません)
被災者の葛藤と、酒巻氏の葛藤とを、完全に重ね合わせるのは不可能だと思いますが(種類が違うので)、視点は面白いです。
はっきり言ってしまえば、日本が経験した大震災と、宣戦布告の直後に決行された真珠湾攻撃の70周年を、「NHKはよく見つけて繋げたな」と思います。上手。
(物書きのつぶやき)
だた、番組紹介を見ると、三机での訓練で、恋心を抱いた娘さんの話が絡むようですが、
「これだといつものお涙頂戴なんだよなー」と、少し憂慮しています。
特攻隊をお世話した、なでしこ隊の話のようにならないといいな、と思う私です。
戦時中のドラマは、きっと「普通の人」が戦時に巻き込まれて、繰り広げられたドラマだから、
同じような体験があるのは分かります。
でも、いつも男女関係が絡んで、同じパターンで繰り広げられるドラマは、
本当に掃いて捨てるほどあり、毎年8月に放送されるワンパターンのドラマに、うんざりする私です。
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