2011年9月27日火曜日

夜想曲


夜想曲

冬の夜の香りが
私の髪を梳くとき
月は滑り落ちて池の中

私の黒鍵盤にのせられた
あなたの手が何か弾いている
声にならない声で歌う私を

きれいと言うあなたの目は
新月の空に光る
一対の星

曇った夜空の星のような
私のほくろ
数えないで

「月は今どの方角に居るの」
訊ねる私の目を
優しく閉じるあなたの指

もう少しゆっくり弾いて
ひとりの夜でも
そらで思い出せるように

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