2012年2月25日土曜日

120225 詩のメモ 2つ


震災から約1年が経った頃
日本中の原発の殆どが停止した

国民は口々に
「やはり原発はいらなかったのだ」
と言い合う
「無くても生活できているではないか」
と口を揃えて言う

しかし


どれだけの人が知っているだろうか
元々、日本の原発は全て
定期的に年に一度停まることを

そして

その点検の為には
数え切れないほどの
低学歴者や社会的弱者が
全国で集められていることを

彼らは高額の日雇い労働に従事し
大した訓練も
マスク1つもないまま
汗だくになりながら床を磨く

被爆量が限界に達すると
切り捨てられ
二度と戻ってこないように
言われて終わる

白血病で亡くなった者が居る
鼻血が数年間止まらない者が居る
歯をすべて失った者が居る

そして
彼らを無視し
無知に甘えた私たちが居る

あなたは知っているだろうか
彼らは生涯働くことも出来ずに
何の保障も無いまま
後遺症と戦ってきたことを

あなたは聞いたことがあるだろうか
企業はただ黙って
白紙の小切手を握らせたことを

あなたは気がついているだろうか
小切手を配っているのは
私たち自身でもあるということを

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船体が引き上げられると
アメリカ軍は
その固くて黒い鋼を剥がすように
バラバラに解体し
約1年をかけて調べ上げた

エンジンを除いて
再び組み上げられた甲標的は
「東条の葉巻」と呼ばれ
カリフォルニアの太陽の下
突如アメフトの
ハーフタイムショーに登場した

あの時
あなたの仕掛けた爆弾は
不発に終わっていた

水を吸わない鋼の葉巻が
簡単に見つかると
アメリカ軍の手によって
再び火をつけられた

「全米ツアー」に出かけた
葉巻には
観客の熱い息が吹きかけられ
あっという間に燃え上がり 
数千万ドルの寄付を集めた

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