2012年7月13日金曜日

カールおじさん

久々に、この本を開きました。 

カールおじさん、とアメリカでは呼ばれてもいい(のかは知りませんが)ような、 
アメリカの超有名詩人、Carl Sandburg(カール・サンドバーグ)の詩集、"Chicago Poems" 

アーサー・ビナード氏が、奥さんの木坂涼さんと出版した、 
『ガラガラヘビの味』(アメリカ子ども詩集)を読んで、久々に、カールの詩に再会して、 
懐かしく思い出し、開いたこの本。 


1800年代末に生まれた彼は、スウェーデン系アメリカ人。
何と、英語は第2言語だったそうですよ。何だか、勇気づけられますな。

実は、このChicago Poems, 『シカゴ詩集』、とやらは、昔の彼から貰ったもので、8年ほど前には、何と一緒に、カールおじさんの家にまで遊びに行ったのでした。緑溢れる場所に立つ、いかにもアメリカンな、大きめの家。 

まぁ、今では、もうカールおじさんは天国に居るので、観光地になっているだけなのですが。 
国有公園になっていて、きれいですよ。 
http://www.nps.gov/carl/index.htm 

バーチャルツアーもあります。 
http://www.nps.gov/history/museum/exhibits/carl/houseTour.html 

私が大好きだったのは、もちろん書斎 
http://www.nps.gov/history/museum/exhibits/carl/rooms/sandburgsWorkRoom.html 


『シカゴ詩集』は、その名の通り、シカゴに住んだ彼が、街や人々を飾らない言葉で書いた作品が収められています。詩がはじめて、という人でも、何も準備することがなくても、読めます。 

辛い重労働に明け暮れる日雇い労働者、結婚に失敗した男の嘆き、街の喧騒、街にかかる橋が、静かに夜の星星と共にたたずむ様子・・・ 

読んでみて、改めて、この詩集の面白さに惹かれています。 

日本の大都市、東京とも、どこか似ている光景。 

昼と夜、全く異なる街かと見まがうほどの、大都市の喧騒や、 
都市の片隅で、賢明に生きようとする労働者の眼差しに、心が打たれます。 

日本語訳も出ています。もう、50年以上も前に。 

『シカゴ詩集』 カール・サンドバーグ著 岩波文庫 
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/32/3/3231810.html 


◆ウィキペディア等をざっと読んで、訳すと◆ 

カール・サンドバーグ: 
1878年イリノイ州生まれ。スウェーデン系アメリカ人。英語は第2言語。 

13歳で学校に通うのをやめ、ミルク売り、ホテルのポーター、シカゴデイリーのジャーナリストを経験し、執筆活動を始める。社会党派知事の秘書も務める。 

米西戦争では、兵隊に志願したが、試験にも落第し、戦場に赴くことは無かった。 

1908年結婚。子どもが3人生まれ、娘の為に書いた作品が出版されたが、 
その作品は、ヨーロッパのおとぎ話に見られる、王国や王様は登場せず、 
「アメリカに相応しい」、高層ビル、電車、コーンの妖精、 
『5つのすばらしいプレッツェルたち』などが登場する、独創的なものだった。 

詩集、The Complete Poems of Carl Sandburg, Corn Huskersでピュリッツァー賞を受賞。 

また、第16代アメリカ合衆国大統領の、エイブラハム・リンカーンの伝記を出版(ピュリッツァー賞受賞)、後に、同著の朗読や、リンカーンのスピーチをレコーディング、グラミー賞を受賞。 



・・・アメリカを愛し、見たままの姿を、そのまま書き出した詩人のひとりと言えるかな。 

そんな彼の愛称は、"A Poet of People" みんなの、とか、人間の、とか、人々の、むしろ、アメリカ人から見た、「我らの詩人」、かな。 
決して高尚な言葉や、難しいレトリックを使わないで、まっすぐ、愛するアメリカを詠った人。 

カールおじさんの家訪問から、約8年、初めて「もっと知りたい」と思う、今日です。

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